💗『ネイマール-ピッチでくりだす魔法』より
〝「まだ連れて行ったりはしないよ。ちょっとプレーを見たかっただけだ」
「誰の?」ベッチーニョはとぼけた顔でたずねた。
「君のチームで、次のビッグスターになる少年があの子の他にいるか?」
ベッチーニョは大切な息子を眺めるような目でジュニーニョ(ネイマール)を見つめた。自慢の教え子だ。こんなに誇らしい思いをしたのは、ロビーニョがスターの座に駆け上がった時以来だ。息子を探しに行った砂浜で、たまたまジュニーニョを見かけたあの日に感じた自分の直感は正しかった。あの日、ジュニーニョに出会った。自分が見出した。その少年が今ここにいる。ジュニーニョがブラジルのファンから“ネイマール”と声援をあびている。近いうち、世界中の人を魅了する名プレーヤーになるはずだ。〟